スウェーデンでは保育園から大学まで、平等に学ぶ権利が保障されています。
そのため教育制度はしっかり整っていて、義務教育は無料である上に、他のお金がかかる部分であっても他の欧州の国と比較すると安く済むといった特徴があります。
この記事では、スウェーデン在住の私がそのような教育システムをまとめました!
今回はUniversitet / Högskola (大学)編となります。
これから移住を考えている人やスウェーデンの教育制度に興味のある方に役立つ内容となっています。
Universitet / Högskola (大学)
高校(Gymnasieskolan)を終えてから、進学する人が次に進むのが大学となります。
UniversitetとHögskolaは英語で言うUniversityとCollegeの違いのようなもので、総合大学(Universitet)と単科大学(Högskola)といった区別となります。
単に大学の規模をに対して区別されるだけで、いずれでも同等の教育が提供されます。
ただし、博士課程は原則Universitetのみで開設となっています。
全部でおよそ50校あり、そのほとんどが国立となっています。
私立も一部ありますが、基本的には小規模で少ない分野の教育を提供する傾向にあります。
スウェーデン国内で、高校卒業後に進学した人の割合は約47%となっています。
男女で分けると、女性が54%で男性が40%と女性の進学率がかなり高いです。
2学期制となり
秋学期(Hösttermin)8月末〜1月中旬
春学期(Vårtermin)1月中旬〜6月初旬
といった期間になります。
長期休暇としては、春学期と秋学期の間には夏休みが、12月後半から1月前半頃には冬休みがあるイメージですね。
ヨーロッパは1年が秋学期から始まるので、学年の切り替わり時に長い休みがあることになりますね。
参考
SCB:https://www.scb.se/hitta-statistik/sverige-i-siffror/utbildning-jobb-och-pengar/utbildningsnivan-i-sverige/
UKA : https://www.uka.se/sa-fungerar-hogskolan/universitet-och-hogskolor
入学要件
学士課程入学のための要件はこのようになっています。
- 高校卒業資格
- (必要に応じて)TOEFLやIELTSなど英語力の証明
- 専攻に応じた科目が履修済みであること(物理、化学など)
また、入学するためには
- 高校の成績を使った受験
- 入試(Högskoleprovet)の成績を使った受験
のいずれかで合格する必要があります。
こちらの記事でも受験について触れています。
学位
日本と同じく、学士・修士・博士の課程がありますが、中身に違いがあります。
| 学位 | 年数 | 備考 |
| 学士(Kandidatexamen) | 3年 | 日本と同様の学士課程。学部ごとに必修科目がある。 |
| 修士(Magisterexamen) | 1年 | 上記の学士課程からさらに1年追加で学習する課程。 |
| 修士(Masterexamen) | 2年 | 国際的に一般的な修士課程。 上記の修士課程とは別のコースとなる。 |
| 博士(Doktorsexamen) | 4年 | 国際的に一般的な博士課程。 |
まず学士の期間が3年と、日本の4年よりも1年短いです。
これはヨーロッパで広く採用されているボローニャプロセスというものに則っていて高等教育の単位制と学位体系を統一したものとなっています。
修士進学まで含めた5年で教育をまとめるといった体系で、修士への進学率は高くなっています。
学士の4年で一区切りにして、修士進学する人が少ない日本とは体系が異なりますね。
しかし1年制の修士課程(Magisterexamen)を採用する国は少なく、スウェーデンはこの課程が柔軟に取り入れられている国の一つとなっています。
この1年の修士課程はその後の博士号や研究に進むというよりかは、学部で学んだことをもう一年かけてさらに深く学びたいといった人向けとなっています。
博士課程は他の国と同様に、さらに研究に身を置きたい人が修士号を取得した後に進学するものとなっています。
また、学士→修士や修士→博士の進学に伴う入学試験は基本的にはありません。
前課程での成績や英語スコア、志望動機や教授からの推薦などがより重視されており進学というよりは採用に近いですね。
高等教育全体として、日本とはかなり違った体系になっていることがわかります。
参考
European Higher Education Area : https://ehea.info/page-how-does-the-bologna-process-work
UKA : https://www.uka.se/swedish-higher-education-authority/about-higher-education/higher-education-in-sweden
Study.nu : https://www.studera.nu/att-valja-utbildning/vagar/utbildningsnivaer-och-examina/
学生生活
授業は主にスウェーデン語で行われますが、英語での授業もあり、その割合は年々増加しているとのことです。
約3分の1の授業が英語で行われているという調査があり、特に修士課程以上になるとその多くが英語の授業になります。
私の友人にも、スウェーデン語は話せないけど大学院からスウェーデンに来て修士号を取得している人がたくさんいます。
大学では学生自治組織(Studentkår)がかなり大きい力を持っていて、大学の運営に影響を及ぼしています。
この自治組織が新入生の歓迎や住居・健康・経済の相談窓口となっているようです。
また、スウェーデンにはCSN(Centrala Studiestödsnämnden)による学資支援制度があります。
これはスウェーデンの学生の約80〜90%が利用する、政府による学資ローン・給付金制度で、「学生が親から独立して生活する」ための制度として位置付けられています。
参考
Universitetsläraren : https://universitetslararen.se/2018/12/18/engelska-allt-vanligare-som-undervisningssprak/
Study.nu : https://www.studera.nu/livet-som-student/paverka/studentkaren/
CSN : https://www.csn.se/
授業料
授業料については北欧諸国、EU・EEA加盟国、スイス国籍の人は無料となっています。
さらに、永住許可や学生ビザ以外の居住許可(親の就労ビザなど)でスウェーデンに居住している人も無料となります。
日本人の場合で例えると、
スウェーデンの大学に留学→学費がかかる
家族ごとスウェーデンに移住していて永住許可がある→無料
ということですね。
*家族で移住していても、子どもが18歳以上になると就労ビザの家族帯同ビザの延長が難しくなり、自身で学生ビザを取得する必要があるケースが多いようです。
とはいえ、授業料無料+給付金の支給と、スウェーデンでは大学生に対するサポートもかなり手厚いですね。
また博士学生には授業料はなく、むしろ給料が支払われるというのも特徴です。
これはスウェーデン国民かどうかに関わらず博士学生は全員この待遇となっています。
所属する大学や学部、年次などによって給料は変わりますが、月に28,000 – 35,000 SEKほどと学生が一人で暮らすのには困らない程度の水準となるようです。
参考
ANTAGNING.SE : https://www.antagning.se/sv/studier-pa-hogskoleniva/anmalnings–och-studieavgifter/#:~:text=Du%20som%20%C3%A4r%20svensk%20medborgare%20beh%C3%B6ver%20varken%20betala%20anm%C3%A4lnings%2D%20eller%20studieavgift.&text=Danska%2C%20norska%2C%20finska%20eller%20isl%C3%A4ndska,inte%20betala%20anm%C3%A4lnings%2D%20eller%20studieavgift.
Migrationsverket : https://www.migrationsverket.se/en/about-the-swedish-migration-agency/the-swedish-migration-agency-answers/2025/2025-02-25-other-rules-when-children-become-adults.html?utm_source=chatgpt.com
まとめ
以上、大学(Universitet / Högskola)についてでした!
教育制度から、学生に対するサポートなど私たちの知っている日本の制度とは違う部分が多く見られました。
全体として、高等教育に対する考え方が大きく違いますね。
他にも、高校卒業後にすぐに進学せずに1年ほどの自由な時間を取るギャップイヤーという文化がヨーロッパにはあります。
この間に働いて資金を貯めたり、ワーキングホリデーに出たり、ボランティアに参加したりするなど様々な活動に時間を使います。
ギャップイヤーの時間をとっても高校の成績や試験の成績(Högskoleprovet)はしばらく使えるので急いで進学する必要もないということですね。
考え方が日本とは大きく変わってくるので、スウェーデンや他の国外の学校で学ぶ前にしっかり下調べが大切ですね。
以上、スウェーデンの教育制度に関心のある方の参考になりますと幸いです!



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