【高校編】スウェーデンの教育制度とは?

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スウェーデンでは保育園から大学まで、平等に学ぶ権利が保障されています。

そのため教育制度はしっかり整っていて、義務教育は無料である上に、他のお金がかかる部分であっても他の欧州の国と比較すると安く済むといった特徴があります。

この記事では、スウェーデン在住の私がそのような教育システムをまとめました!

今回はGymnasieskolan(高校)編となります。

これから移住を考えている人やスウェーデンの教育制度に興味のある方に役立つ内容となっています。

Gymnasieskolan(高校)

義務教育(Grundskola)を終えてから次に進むのが3年間の高校(Gymnasieskolan)となります。

日本と同じく、ここからは義務ではなく任意の教育となりますが、ほとんどの生徒が進学します。

こちらも義務教育と同様に学費は原則無料となりますが、義務教育とは異なり昼食の無償提供に対する法的なルールはないのでお金がかかる場合が考えられます。

しかし、実際にはほとんどの高校で昼食が無料でもらえるようです。

また、学習の補助をする器具なども有償になる場合もあるようです。

義務教育とは異なり、ここからは高校卒業後にどのような道を歩んでいきたいか、将来どのような仕事に就きたいかなどで色々な選択をしていく時期となります。

国が定めたプログラムは全部で18あり、大きく分けて

高等教育準備プログラム(högskoleförberedande)
職業プログラム(yrkesprogram)

があり、学生のその後の進路に応じたプログラム選択をします。

これらのプログラムは願書を提出する時に選択されるものとなります。

日本のようにまずは高校の普通科に入学→理系文系の選択とはならず、高校とプログラムは一緒に決めるものとなります。

また、Gymnasium入学のための試験はなく、義務教育(Grundskola)の最終成績をもとに選抜が行われるようです。

日本でいう内申点のようなものだけで決められるということですね。

参考
Sveriges Riksdag : https://www.riksdagen.se/sv/dokument-och-lagar/dokument/motion/ge-gymnasielever-kostnadsfri-och-naringsrik-mat_h002ub240/
Skolverket : https://www.skolverket.se/undervisning/gymnasieskolan/program-och-amnen-i-gymnasieskolan/gymnasieprogrammen-gy25

高等教育準備プログラム(högskoleförberedande)

名前の通り、大学・高等教育への準備が主目的のプログラム群となります。特定分野(理系、人文系等)に向くコース群があります。

プログラム名学習内容
Ekonomiprogrammet (EK)経済プログラム(経済・法律・ビジネス系)
Estetiska programmet (ES)芸術プログラム(音楽、美術、演劇、メディア等)
Humanistiska programmet (HU)人文プログラム(言語、文化、哲学系)
Naturvetenskapsprogrammet (NA)自然科学プログラム(数学、物理、化学、生物系)
Samhällsvetenskapsprogrammet (SA)社会科学プログラム(社会、歴史、地理、国際関係系)
Teknikprogrammet (TE)技術プログラム(工学、IT、設計、イノベーション系)

日本の高校でいう理系/文系の大きな区別よりも、もう少し細かく分かれていますね。

高校で何を学び、その後どのように活かしていきたいか、あらかじめ具体的に考えておく必要がありそうです。

職業プログラム(yrkesprogram)

こちらでは卒業後すぐに働ける知識やスキルを重視しています。日本でいう工業高校・商業高校・農業高校などをさらに細かくコース分けしたようなイメージでしょうか。

プログラム名学習内容
Barn- och fritidsprogrammet (BF)子ども・レジャープログラム(保育、スポーツ、福祉系)
Bygg- och anläggningsprogrammet (BA)建設・土木プログラム(建築、大工、インフラ系)
El- och energiprogrammet (EE)電気・エネルギープログラム(電力、電子、通信、IT基盤)
Fordons- och transportprogrammet (FT)車両・輸送プログラム(自動車整備、物流、交通)
Handels- och administrationsprogrammet (HA)商業・管理プログラム(流通、営業、経理、管理)
Hotell- och turismprogrammet (HT)ホテル・観光プログラム(旅行、接客、イベント運営)
Industritekniska programmet (IN)産業技術プログラム(機械加工、製造技術、溶接)
Naturbruksprogrammet (NB)自然資源プログラム(農業、林業、動物、環境管理)
Restaurang- och livsmedelsprogrammet (RL)レストラン・食品プログラム(調理、製菓、食品加工)
VVS- och fastighetsprogrammet (VF)設備・不動産プログラム(配管、暖房、冷却、施設管理)
Vård- och omsorgsprogrammet (VO)介護・看護プログラム(医療補助、介護、福祉)
Hantverksprogrammet (HV)手工芸プログラム(美容師、ジュエリー制作、手工芸全般)

職業プログラムに進学しても、必要な科目を追加で履修すれば大学進学も可能なようです。

プログラムの変更は可能

義務教育の期間中に今後の進路を決めたものの、やはり気が変わってしまうこともあります。

特にスウェーデンではより細かくプログラムが分かれているので、気が変わった段階でプログラムの変更が必要になります。

基本的には在学中のプログラムの変更は可能です。

プログラム間で共通の必修科目があれば引き継げますが、やはり専門科目などは一から学ぶことになりその分卒業が遅れる可能性があります。

また、移動先に空き枠があるかも重要です。受け入れる学校がなければ転校できません。

同じような分野でのプログラム変更(例: 自然科学⇄技術、経済⇄社会科学)は比較的容易で、共通する必修科目も多いです。

一方で、高等教育準備プログラムと職業プログラムの間では必修科目の違いが大きく、プログラムの変更要件を満たすのが難しくなる傾向にあるようです。

いずれの場合でも、できるだけ早い段階であるほうが容易となります。

参考 : https://www.skolverket.se/styrning-och-ansvar/anordna-utbildning/anordna-gymnasieutbildning/programbyte-forlangd-undervisning-eller-ga-om-kurs-i-gymnasieskolan-och-motsvarande-skolformer

大学進学について

高等教育準備プログラムの方では、その名の通り大学への進学を前提に学習をします。

ここで、大学に進学するためには二つのルートがあります。

高校成績による出願

高校卒業者、または高卒資格保有の成人が対象。高校の最終成績が評価対象となり、これのみで合否が決定する。スウェーデン国外の受験者でも、UHR(Universitets- och högskolerådet: 大学入試センターのようなもの)がその成績が使用できるかを判断する。日本人の場合は、高校卒業証明書・成績表と共に英語力の証明(TOEFLやIELTS)の提出が求められることも多い。

筆記試験の成績による出願

年齢・国籍を問わずにだれでも受験可能でHögskoleprovetという試験の成績を用いて合否を決めるルート。試験は年2回(春・秋)開催され、スウェーデン語や英語といった言語能力を測る科目(ORD、LÄS、MEK、ELF)と数学的・論理的能力を測る科目(XYZ、KVA、NOG、DTK)がある。英語以外の科目はすべてスウェーデン語での受験となる。試験結果は受験日から8年間利用可能。

これらのルートは同時に出願可能です。高校生や高卒資格をとった人はより多くのチャンスがあるということですね。

また、多くの大学・学部では両方のルートによる枠が準備されています。

参考
Study.nu https://www.studera.nu/

まとめ

以上Gymnasieskolan(高校)についてでした。

入学時から多数あるプログラムに分けられていたり、高校の成績が進学のためには非常に重要であったり、日本の高校とは違う点も多く見られました。

コツコツ派の自分としては、成績さえよければそれだけで大学に合格できるという制度はかなり魅力的です。笑

またこれだけプログラムが分かれていて、それが将来に直結すると考えると、選択に非常に頭を悩ませそうですね。

14-15歳くらいのスウェーデン学生はどのように決定しているのかも気になりますね。

以上、スウェーデンの教育制度に興味がある方に参考になると幸いです!

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