夏が近づいてくると、「そろそろ休みの計画を立てないと」という会話になります。
こちらでも軽く触れている通り、法律でも25日以上の有給休暇が定められています。
ほとんどの人が3-4週間分の夏休みを取るのが普通です。
そのため、6月末から8月半ばまではスウェーデン国内全体がゆったりとした雰囲気になります。
仕事のメールは返さなくてOK。担当者が休みだから1ヶ月後に仕事を再開しましょう。など
進んでいる仕事よりも休みを優先するのがヨーロッパの国々です。
お盆や年末年始にみんなが一斉に休む日本と異なり、
ヨーロッパでは1-2ヶ月ほど人手が少ないままゆったりとした休暇シーズンを過ごします。
日本式に慣れている私たちからしたら別世界ですね。
しかし彼らにとっては長く休むことは心と体を整え、より良く働くために大切な習慣です。
この休む文化を知ることは、
スウェーデンをはじめヨーロッパの国々を理解するうえで欠かせない視点でもあります。
この記事では、スウェーデン人がどのように休暇を過ごし、
なぜここまで「休む」ことを大切にするのか、そして移住者としてその文化を痛感するのは
どのような場面か紹介していきます。
スウェーデン人のワークライフバランス
スウェーデンでは仕事と私生活のバランスは、できれば保ちたいものではなく
社会全体が当たり前として守るべき価値として広く浸透しています。
OECDのデータによると、2023年におけるスウェーデンでの労働時間平均は1,431時間と
4番目に短かった様です。
ちなみに日本は1,611時間でした。
実態とどれくらい乖離しているのかは分かりませんが、
北欧をはじめとしたヨーロッパの国々は労働時間が短い傾向にありますね。
| 労働時間の短さ | 国名 | 労働時間 |
|---|---|---|
| 1位 | ドイツ | 1,335時間 |
| 2位 | デンマーク | 1,380時間 |
| 3位 | ノルウェー | 1,412時間 |
| 4位 | スウェーデン | 1,431時間 |
| 5位 | オーストリア | 1,448時間 |
また、勤務の開始時間と終了時間もかなりフレキシブルです。
7時からはじめて16時前に帰る人もいれば、9時から18時頃までの人もいるなど、
個人の好みに合わせて労働時間をある程度フレキシブルに調整できます。
心理学的に見ても、生活に対するコントロール感の高さはストレス軽減にもつながります。
他にも、在宅ワークも柔軟に取り入れられています。
仕事に関することはこちらにもまとめてあるのでぜひご覧ください。
スウェーデンの休日はどれくらい?
冒頭でも紹介した通り、スウェーデンでは法律で最低25日以上の有給休暇が保障されています。
有休取得率も高いので、このほとんどは年内に消化されます。
また、主なスウェーデンの祝日には下記の様なものがあります。
| 時期 | 祝日の内容 |
|---|---|
| 1月1日 | ニューイヤー |
| 1月6日 | キリスト教由来の祝日 |
| 3月下旬 – 4月中旬 | イースター(前後の金・月曜日も休み) |
| 5月1日 | メーデー(労働者の祭日) |
| 5月 | キリスト昇天祭、イースターから40日後 |
| 5月-6月 | 精霊降臨祭、昇天祭から10日後(日曜) |
| 6月6日 | スウェーデン国民の日 |
| (6月19〜25日の間の金曜日) | ミッドサマー前日で休みのことが多い |
| 6月19〜25日の間の土曜日 | ミッドサマー(土曜) |
| (12月24日) | クリスマスイブ |
| 12月25日 | クリスマス |
| 12月26日 | ボクシングデー(プレゼント箱を開ける日) |
| (12月31日) | 大晦日 |
その性質上、土日に祝日となるものを除くと12日ほどでしょうか。
また、カッコで示されているミッドサマー前日、クリスマスイブ、大晦日などは
正しくは祝日ではないのですが、半休や休日扱いとされることがほとんどです。
特にクリスマスイブはほとんどの会社で休みとされます。
残念ながら、祝日が日付で固定されているものが土日に重なっても日本の様な振替休日はありません。
だから年によって有効な祝日の日数が変動します。
移住当初は3連休の少なさに絶望していました。。。笑
日本では祝日は16日あり、かつ振替休日がある上に祝日に挟まれた平日も祝日になるということで
確実にスウェーデンよりも多くの祝日があることになります。
また、お盆休みや年末年始休みも合わせると25 – 30日くらいの休みがあることになりますね。
また、有給休暇のことも考えると最低でも5日、
取りやすい会社だともっと多くの休暇が増えることになります。
純粋な祝日・休暇日数を比較するとスウェーデンと日本はほぼ同等の日数、
年や有休のとりやすさよっては日本の方が多いということがわかります。
ただし日本では国や企業慣行によって決められた休日が多く、
そのため休日はどこでも混んでいるという印象があるのではないでしょうか。
またその多くが3連休、祝日と有休を組み合わせて2週間くらいが長期の休みとなります。
一方でスウェーデンでは有給を使って3-5週間まとめて休むことが普通です。
長い間仕事から解放され、やりたいことや行きたい場所に行く時間が十分に作れるというのは
やはり大きなメリットだと言えます。
好みにもよりますが、私個人としては
スウェーデンでの長期休みのとりやすさは休暇の質を大きく向上させていると感じます。
スウェーデンのバカンス文化
スウェーデンでは夏至祭が終わるとバカンスシーズンが始まります。
8月半ば – 末まで休む人が多く、7月と8月は街から人がいなくなります。
多くのスウェーデン人はサマーハウス(Stuga)のある自然の近くで多くの時間を過ごします。
湖で泳いだり、森の中でゆったりすごしたり、山登りをしたりするなど、
日常から切り離された自然の中で、ゆったりとした時間を楽しむというのがスウェーデン流です。
遠出をしていなくても、近くのビーチでただ日光浴を楽しんでいる人もたくさん見かけます。
私も時々そこに混ざって数時間のんびり過ごして、夏の日差しを満喫しています。
もちろん、長期で国外に旅行にいる人も多いです。
スペインやギリシャなどのヨーロッパ諸国はもちろん、
近年ではタイ旅行も人気になっているとのことです。
私たちも今は他のヨーロッパ諸国も楽しめる様に毎年計画を立てて旅行しています。
ある程度時間に余裕をもって、ゆっくりと観光に回れるのはやはりこのバカンス文化ならでは。
夏にしっかりとリフレッシュできるからこそ、そこからクリスマスまで全力で頑張れます。
一方で、休暇シーズン中は街から人がいなくなるのでその影響は出ます。
電車やバスの本数が減ったり、荷物の配送は遅れる、閉まっているレストランやカフェがある、
カスタマーサポートに連絡をしても返事が返ってこない、
あげるとキリがありませんが、休暇を享受するということは不便を受け入れるということです。
日本のサービスがいかに素晴らしいかということも痛感しましたが、
それは裏で頑張って働いてくれている人がいるからこそ、だということにも改めて気づかされました。
何かを立てれば何かは立たない、これが世の常なのですね。
まとめ
以上、スウェーデンのバカンス文化についてでした。
この文化自体、仕事と私生活のバランスをより重視するというところから来ており、
労働時間の短さからもいかに私生活の質を大切にしているかということが窺い知れますね。
その文化や考え方が国の制度などにも現れており、
働き方のフレキシブルさや休暇のとりやすさにつながっています。
また、休日数自体は日本とは大差ないものの、休みの内容が違うことが分かりました。
スウェーデンをはじめとしたヨーロッパの国々では、3-5週間ほど長い休暇をとり、
自然の中でゆったりと過ごすということが主流です。
特にスウェーデンは自然が至る所にあり、アクセスしやすいので気軽に訪れられます。
文字通り、日常から離れてゆっくりと過ごせますね。
その反面、テーマパークやゲームセンターなどの娯楽施設は少ない傾向にあります。
日本ではいろんな施設があり、気軽にいろんな体験ができたり、
少しだけ遠出してご当地グルメを食べに行ったり、テーマパークで1日楽しんだり、
これらはスウェーデンではできない過ごし方ですね。
短い休みが多い日本だからこそ、いろんなものが身近で楽しめるのですね。
休暇の過ごし方の違いがわかると、価値観の違いも分かりやすいのではないのでしょうか。
今回の記事がその助けになれば幸いです。
ご閲覧ありがとうございました!



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