【義務教育編】スウェーデンの教育制度とは?

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スウェーデンでは保育園から大学まで、平等に学ぶ権利が保障されています。

そのため教育制度はしっかり整っていて、義務教育は無料である上に、他のお金がかかる部分であっても他の欧州の国と比較すると安く済むといった特徴があります。

この記事では、スウェーデン在住の私がそのような教育システムをまとめました!

今回はGrundskola(義務教育)編となります。

これから移住を考えている人やスウェーデンの教育制度に興味のある方に役立つ内容となっています。

Grundskola(義務教育)

日本と同様に7歳になる年から9年間の義務教育期間があります。

このスウェーデンの義務教育はどの自治体であっても原則無料となっています。

無料なのは授業料のみでなく教材、文房具、昼食に至るまで完全に無料にすべきだということが全国レベルで法律で定められています1

またスウェーデンの教育庁に認可され、国家の教育カリキュラムを遵守しているとみなされた場合は私立学校でも同様に無料となります。

ただし、一部の認可外の私立学校やInternational schoolなど、国家カリキュラム外で教育を行う場合は授業料が発生する場合があります

知人に聞いた話では、有料であってもスウェーデンのInternational schoolはドイツなどの他のヨーロッパと比較して格段に安いとのことでした。

参考
1:slolverket https://utbildningsguiden.skolverket.se/grundskolan/om-forskoleklass-och-grundskola/om-grundskolan

就学の要件

就学の要件としては下記のみとなります。1

  1. 子どもがスウェーデンに住民登録されていること
  2. 子どもが義務教育の対象となる年齢であること

特に一つ目について、子どもが住民登録さえされていればEU民・非EU民で就労ビザ保有者などどのような子どもでも教育を受けることのできる権利があります。

9年間の義務教育

スウェーデンでは小学校・中学校のような区分はなく、まとめてGrundskolaとなります。この9年間を大きく分けるとこのようになります。2

lågstadiet(低学年):1-3年生
基礎的な読み書き・計算を重視。この頃から英語の学習も始まり、簡単な言葉や表現から学ぶ。
正式な成績はつけられることはなく、口頭でのフィードバックなどになる。

mellanstadiet(中学年):4-6年生
基礎学力の発展。専門的な教科が増え始め、英語や理科などの専門科目が強化される。このため教科ごとの担任が徐々に導入されていく。6年生になったら第二外国語(ドイツ語、フランス語、スペイン語など)の学習が始まる。
また、6年生から成績(AからFでFは不合格)が導入される。

högstadiet(高学年):7-9年生
専門科目中心で、日本の中学校のようにそれぞれの科目に担当の先生がいる。成績が本格的に付けられ、卒業後の進学先(gymnasium)の選択に直結する。9年生の時には国家試験(nationella prov)も実施され、この結果が進学に重要な成績付けの参考とされる。

また、6歳の児童に対してはförskoleklassという準備学年があります。3

2025年現在ではこちらは義務教育としての位置付けではなく、Förskola(保育園)とGrundskola(義務教育)の間にある準備学年で、0年生みたいな扱いでしょうか。

しかし2028年秋から制度が変わり、このförskoleklassの学年も義務教育に組み込まれてここから1年生として扱うようです。4

これにより、義務教育期間が10年に伸びる予定となっています。

参考
2 : skolverket https://www.skolverket.se/undervisning/grundskolan?utm_source=chatgpt.com
3 : ny i stockholm https://nyistockholm.se/engelska/life-in-sweden/family-life/children-and-parents/education-of-children/?utm_source=chatgpt.com
4 : sveriges riksdag https://www.riksdagen.se/en/news/articles/2025/jun/18/compulsory-schooling-extended-to-ten-years_cmsce53b615-e4ed-4f49-a167-da05618e48f5en/?utm_source=chatgpt.com

学年の区切り

スウェーデンでは同じ年に生まれた人=同じ学年となっています。

例えば、2017年生まれはみんな7歳になる年(2024年)にGrundskola1年生となります。

また、スウェーデンでは秋に学期が始まります

日本は年度区切り(4月-翌年3月生まれが同学年)かつ、春から学年が始まるという制度なので、違うポイントですね。

下図のようなイメージになります。

成績の付け方

成績は6年生からつけられるようになります。AからFの6段階評価で、Fになると不合格ということになります。5

不合格になったからといって留年になるわけではなく、F評価をとっても進級することは可能のようです。

そもそも、Grundskolaにおいて留年はほぼ行われないようです。日本と似ていますね。

ただし、学習に遅れが見られる生徒に対しては個別での支援を提供し、必要に応じて個別の学習計画を作成してくれるようです。

9年生においてこの成績は卒業後の進学先の決定に非常に重要となります。nationella prov(国家試験)の出来は参考にされるようですが、それを元にして決められる成績の方が重要なようです。

日本の学校と同様、試験の成績以外にも日常の授業態度であったり、課題の提出であったり、総合的にう判断されるようです。

このようにしてつけられた9年次の成績により志望校やプログラムの合否が決められます。

参考
5 : informationsverige.se https://www.informationsverige.se/en/jag-har-fatt-uppehallstillstand/ung-i-sverige/skola/?utm_source=chatgpt.com

移民に対するサポート

移民など、スウェーデン語を母語としない生徒に対してのサポートがあります。

SVA(Svenska som andraspråk:第二言語としてのスウェーデン語) という特別科目があり、スウェーデン語が母語でない子どもは通常授業に加えて言語サポートを受けられます。

また、自治体は母語教育を補助的に提供することもあります。例えば、日本語教育を週に1回程度行うというサポートも行ってくれます。

また、母語で普段の学習を受けるサポートもあるようです。

いずれも語学のサポートをすることにより、学習全般を支えることを目的としているようです。

やはり移民が多い国ではこのようなサポートもしっかりしていますね。6

参考
6 : skolverket https://www.skolverket.se/kompetensutveckling/stod-i-arbetet/undervisa-nyanlanda-elever?utm_source=chatgpt.com

まとめ

Grundskola(義務教育)についてでした。

義務教育期間は日本と同じですが、学年の分け方や授業料など所々違いが見れました。

特に授業料については、ここまで本当に無料なのはすごいと知人も驚いていました。

まさか文房具まで提供されるとは、なかなか想像できないですよね。

やはり、このあたりも税金を払う意義を感じるのかなといったところです。

こちらで一般的にどれくらいの所得税を払っているのか、日本とどれくらい違うかをまとめました。

以上、移住を考えている人やスウェーデンの教育制度に興味のある方の参考になると幸いです。

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