スウェーデンの家探しガイド

海外生活

スウェーデンの住宅事情は、他のヨーロッパ諸国と比べても独自の制度や文化があります。 この記事では、スウェーデン移住や長期滞在を考える方に向けて、 賃貸と購入のそれぞれの特徴・メリット・デメリットを詳しく解説します。

スウェーデンの住宅事情

スウェーデンでは、首都ストックホルムやヨーテボリなどの都市部を中心に、
住宅需要が非常に高く、空き物件が少ないのが現状です。

そのため、多くの人が「Bostadskö = 待機リスト制度」に登録し、
順番を待ってから正式な賃貸契約を結びます。
人気エリアでは数年〜10年待ちになることも珍しくありません。

また、スウェーデンの住宅は環境意識が高く、
断熱性やエネルギー効率、共用スペースのデザインなど、
「住まいの質」を大切にする文化があります。

賃貸住宅

スウェーデンの賃貸には大きく分けて
ファーストハンド(First hand)」と
セカンドハンド(Second hand)」の2種類があります。

この違いを理解することが、スウェーデンでの家探し成功のカギになります。

ファーストハンド(First hand)契約とは

ファーストハンド契約は、住宅会社・自治体・不動産管理会社などと直接結ぶ正式な長期契約です。

契約を得るためには「Bostadskö(待機リスト)」に登録して順番を待ちます。

待機リストに登録することで毎日待機ポイントが貯まっていき、応募する際に使用します。

この待機ポイントをどれだけ保有しているかというのが契約を勝ち取る際にとても重要になるので、なるべく早く登録するのがいいでしょう。

たとえばストックホルム市の公式サイト Bostadsförmedlingen では、
登録者が50万人を超え、人気エリアでは10年以上待つこともあります。

私は先日、1996年から待機リストで待っている人がいるという情報を見かけました。

このような人と物件の取り合いになった場合は潔く諦める方がいいでしょう。。。

家賃は「bruksvärde制度(使用価値ベース)」によって決められており、
市場の急変動に影響されにくく、安定しています。

ストックホルム以外の都市でも同様の公式サイトがあるので、早めの情報収取、登録が鍵となります。

メリット

  • 長期的に安定して住める
  • 家賃上昇が緩やかで経済的
  • 借主の権利が法律で強く保護されている

デメリット

  • 登録から入居まで数年かかる場合がある
  • 外国人や短期滞在者は取得が難しい

セカンドハンド契約(Second hand)とは

セカンドハンド契約は、ファーストハンド契約者や住宅所有者からの又貸し(転貸)です。
日本で言えば「サブレット」に近い仕組みです。

スウェーデンでは合法ですが、貸主が所属する住宅組合(förening)や管理会社の許可が必要です。
許可を得ずに転貸するのは違法となり、トラブルの原因になります。

物件探しには以下のサイトが便利です:

メリット

  • 待機リスト不要ですぐ住める
  • 家具付き(möblerad)物件が多く、初期費用を抑えられる
  • 短期滞在や移住初期に最適

デメリット

  • 家賃が相場より高い傾向
  • 契約期間が短く、更新不可の場合も多い
  • 無許可の転貸だと契約無効リスク
  • 貸主が「転貸許可」を得ているか確認
  • 書面での賃貸契約(hyreskontrakt)を必ず交わす

移住初期におすすめのステップ

多くの外国人移住者は、次のようなステップを踏んで安定した住まいを確保しています:

  1. 到着直後:セカンドハンド契約で短期的に居住
  2. 同時にBostadsköに登録して順番をためる
  3. 数年後:ファーストハンド契約に移行

この「セカンドハンド → ファーストハンド」への移行が、
現実的でトラブルの少ない進め方です。

実際に私たちも最初はセカンドハンドでの契約をし、3年程度経ってからファーストハンドで契約できる賃貸に引っ越しました。

家賃の相場

ストックホルム中心部では、ワンルームまたは1ベッドルームで
月額8,000〜12,000SEKが相場です。
郊外では6,000SEK前後まで下がることもあります。

ヨーテボリやマルメなどの地方都市では、
5,000〜8,000SEK程度で住める物件も多く、
家賃の地域差がはっきりしています。

また、物件には必ず生活に欠かせない家電が備え付けてあります。

  • 冷蔵庫と冷凍庫
  • 洗濯機と乾燥機*1
  • 食器洗浄機*2
  • 電子レンジ*2

*1洗濯機・乾燥機は各部屋に備え付けてあるタイプと、建物にいくつか置いてあり予約制で建物のみんなで使うタイプがある。
*2食洗機と電子レンジは必ずしも置いてあるわけではない。

同じような立地や部屋の広さであっても、このような家電の有無なども家賃に関わってきます。

当然ですが、家電が充実しているほど家賃は高くなる傾向にあります。

住宅購入の特徴

スウェーデンでは、長期滞在者や家族世帯を中心に住宅を購入して住む人も多いです。

購入のタイプとしては大きく下記の二つに分けられます。

住宅タイプ所有形態登記上の扱い特徴
一軒家(villa, småhus)完全所有土地・建物の所有者修繕・管理は自己責任だが自由度が高い
集合住宅(bostadsrätt)利用権住宅組合の「権利者」管理費を払い、共有部分の管理は組合が負担

スウェーデンでは「bostadsrätt(利用権付き集合住宅)」が主流となっています。

日本の分譲マンションに近いものですね。

住宅ローンの仕組み

住宅ローン(bolån)は物件価格の最大85%まで借入可能で、頭金として最低15%が必要です。

利息は所得税から30%控除(ränteavdrag)できるため、金利負担を軽減できます。

審査では、安定した雇用・収入・納税履歴が重要視されます。

管理費と住宅組合の存在

多くの集合住宅は「bostadsrättsförening(住宅組合)」という形で運営され、
住民は毎月「管理費(avgift)」を支払います。

費用には共用部の清掃・暖房・水道・修繕積立が含まれ、日本のマンション管理費に近い仕組みです。

購入前のチェックポイント

  • 組合の財務状況(負債・資金残高)
  • 建物の修繕履歴・計画
  • 管理費の将来的な値上げリスク

購入のメリット・デメリット

メリット

  • 資産として価値が残る
  • 家賃上昇の影響を受けない
  • 自由に改装・リノベーションできる

デメリット

  • 頭金・登記費用など初期負担が大きい
  • 市場リスク(金利上昇・価格下落)
  • 修繕や維持の責任を自分で負う

メリット・デメリットいずれについても日本と似たようなことが言えますね。

日本と大きく異なる点は

新築信仰がない:
住宅市場には中古物件がかなり多く、それらが価値を保っています。資産としての価値は日本の家よりも保ちやすいでしょう。

頭金が最低でも15%必要:
フルローンは不可能となっています。これは2008年のリーマンショック以降スウェーデンでは
住宅価格が急上昇し、個人の借入額が非常に高くなってしまったのが社会問題となったからです。

まとめ:ライフステージに合わせて選ぶのがポイント

スウェーデンでは、住宅探しは「スピード勝負」ではなく「計画勝負」です。

短期滞在者も永住希望者も、自分のライフステージに合った方法を選ぶことが重要です。

ライフスタイル向いている住まい特徴
短期滞在者・移住初期セカンドハンド賃貸短期で柔軟に住める。家具付き物件もあり。
中長期滞在者ファーストハンド賃貸安定した家賃・契約
子育て世帯・永住者ファーストハンド賃貸 or 購入安定した生活基盤を築ける

制度を理解し、段階的にステップを踏むことで、スウェーデンで理想の住まいを見つけることができます。

参考リンク

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